沖縄県の那覇空港の東側上空にドローンのような物が4日夜、飛行するのが確認され離着陸する航空機に影響が出た件で、遅延や目的地変更で計7便、乗客1465人に影響が出た。豊見城署はドローンとみられる物の飛行の確認を急ぐとともに、飛行禁止空域で許可なくドローンを飛ばしたとして、航空法違反の疑いも視野に調べを進めている。
▼【第一報】那覇空港の滑走路でドローン飛行か、空港が一時閉鎖 着陸予定の3機が目的地変更
滑走路が使用できず目的地を変更し、米軍嘉手納基地に着陸した全日本空輸(ANA)1217便福岡発沖縄行きは、定刻より約7時間遅延し、5日午前4時43分に那覇空港に着陸した。乗客乗員にけがはなかった。
ANAによると同便は上空で燃料が少なくなったため、米軍嘉手納基地に着陸した。燃料補給や離陸の手続きなどに時間を要したという。このほか那覇発1便、着陸5便に影響が出た。
国土交通省などによると、4日午後9時半ごろ、那覇空港の滑走路東側に光を発する飛行体を確認した。4日午後10時50分ごろまで第1、第2滑走路を一時閉鎖した。飛行体が確認された時間帯に、空港周辺でのドローン飛行の許可申請はないという。
名護市辺野古の新基地建設現場などを法を順守しドローンで撮影している土木技師の男性(57)は、1217便に乗り合わせた。「許可なく空港の近くで飛ばすのは考えられない。各種規制を知らない人が多いのではないか」と懸念する。
5日から改正航空法が施行されるなど、国はドローンに関する法整備を進める一方で、法や規制の周知が課題だと指摘する。「操作が難しく、飛行禁止区域も多い。車の免許取得と同じぐらいの訓練や勉強が必要になってくるはずだ」と警鐘を鳴らした。
(高辻浩之、友寄開、長嶺晃太朗)
【関連記事】
▼急病人発生で那覇空港に緊急着陸 マニラ発東京行きのフィリピン航空機