ソーキにてびち、中味汁…オキハムのレトルト発売40年「汁物は無理」の常識覆し開発 故郷の味いつでもどこでも 沖縄


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
オキハムの看板商品となったレトルトの汁物

 中味汁、ソーキ汁など琉球料理のレトルトパウチ食品は県民の日常食としてだけでなく、県外に住む家族や知人に送ったり、観光客が土産品として購入したりと多くの人が重宝している。沖縄ハム総合食品(読谷村、オキハム)が最初の商品「ソーキ汁」を発売してから40年。「汁物のレトルトパウチ商品は作れない」という当時の常識を覆した挑戦的な商品だった。いつでもどこでも気軽に食べられることで、食の伝統が受け継がれていく一助になっている。

  【さらに詳しく】人気1位はあの味 「できない理由」並べた開発当初、背中を押した言葉

 商品開発のきっかけは長濱徳松会長(93)の「沖縄にはおいしい琉球料理があるが、各家庭で作るのは大変だ。レトルトにできないか」という一言だった。

 その後、中味汁、てびち、いなむどぅち、山羊汁、イカ汁などを次々に発売。核家族化や料理の時間を短縮したいというニーズもあり、琉球料理シリーズはオキハムの看板商品に成長した。

 40年以上レトルトパウチ商品に関わってきた當山さんは「琉球料理は切り方にもこだわりがある。本物の味をこれからも伝えていきたい」と誓った。 

  (玉城江梨子)

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