沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は5日までに、Z世代と呼ばれる18歳~25歳の若年層を対象にした「沖縄旅行における移動手段に関する意識調査」の結果を発表した。旅先での運転に積極的な「運転ポジ層」に対し、消極的な「運転ネガ層」と運転免許を持っていない層の合計は、沖縄への旅行意向が10・2ポイント低くなった。自動車を運転しない人でも観光できる公共交通機関の環境整備や情報発信強化などの課題が浮かび上がった。
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調査では、沖縄への観光客の多い首都圏・阪神圏のZ世代のうち62・9%が旅先でレンタカーを運転したくないと思っていて、44・4%は自動車の免許を保有していなかった。
Z世代が思い浮かべる沖縄旅行での移動手段はレンタカー(カーシェア含む)が57%、バスが51・1%だった。うち、運転ネガ(免許なし含む)層でレンタカーを思い浮かべた人は40・8%となり、ポジ層の73・2%と比べて30ポイント以上のギャップがあった。
3年以内に旅行で行きたい場所では、沖縄が北海道に続き2位となった。ただ、沖縄は運転ポジ層が48・4%、ネガ層が38・2%と両者のギャップが全国で最も大きく、レンタカー以外での移動に対する不安から旅行意向が低下している現状が読み取れる。
沖縄に行きたくない理由のうち、運転ポジ層とネガ層のギャップが最も大きかったのは「運転できないから」の12・2ポイントだった。
県観光振興課の担当者は「通信情報技術を活用して利便性を高めるMaaS(マース)なども活用して、まずはレンタカーと既存の公共交通を組み合わせて利便性を高めるのが第一だ」と指摘した。OCVBのサイトでは、レンタカー以外の交通手段を使った沖縄観光の楽しみ方を提供している(https://www.okinawastory.jp/feature/other_traffic)。
(與那覇智早)
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