沖縄、新型コロナとインフル同時感染を確認 病室管理のパターン増え、負担増に…「風邪症状は学校や職場休んで」


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 季節性インフルエンザの感染が拡大する中、新型コロナウイルスとの同時感染例が県内医療機関で報告されており、今後は重症化リスクの高い患者の入院も増えるとみられる。浦添総合病院では年末から同時感染例の入院も想定しているが、病室管理のパターンが増えるため、感染管理の負荷が格段に増すという。

沖縄インフル全国最多…流行注意報目前

 浦添総合病院の感染管理認定看護師の原國政直さんによると、同院で確認した同時感染例は数人で入院などはない。同時感染の重症化リスクについては現時点では症例が少なく、不明という。

 ただ、医療機関には免疫力の低下した患者が入院しており、新型コロナやインフルにかかると重篤な状態になる可能性がある。そのため、病室を(1)コロナ感染者(2)コロナ濃厚接触者(3)インフル感染者(4)インフル濃厚接触者(5)コロナとインフルの同時感染者の5パターンで想定している。慢性的に非コロナの一般病床に余裕がない中では「医療機関にとってかなり厳しい体制となる。県が発表するコロナ専用病床使用率には表れない負担がある」と指摘する。

 感染症の影響は患者だけでなく、医療従事者の就業制限にも及ぶ。新型コロナやインフルにかかった場合、院内感染を防ぐために仕事を休む必要がある。同時流行が広がれば医療従事者の出勤者が減り、第7波のような予定検査や手術の延期などが生じ、必要な医療が提供できなくなる恐れもあるという。

 二つの感染症の拡大を抑えるため原國さんは企業や働く人に対して「現状の感染対策を継続しつつ、体調不良時には休んだり、テレワークに切り替えたりと、柔軟な業務体制を考慮してほしい」と説明。また、「風邪症状の際に自己検査で新型コロナが陰性になっても、インフルの可能性は残っているため、学校や職場はしっかり休んでほしい」と呼びかけた。  (嘉陽拓也)


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