学童利用、どうなる? 浦添市が学童クラブ運営者に施設利用不認可と補助金打ち切りを通知 運営側と保護者会は反発 過去の無効な雇い止めを理由に


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次年度の施設利用が不許可となった当山学童クラブが2階に入っている建物

 【浦添】浦添市は15日までに、当山小学校区で4施設の学童クラブを運営する明徳学園(金城美紀代表)に対し、公設の1施設の2023年度の利用を認めないと通知した。過去に学童で無効な雇い止めがあったことが主な理由。交付している補助金約4千万円も本年度で打ち切る考えで、市は明徳学園に代わる学童運営者の募集を始めた。学園側や保護者会は市の方針に反発し、施設利用や補助金継続を求めている。

 当山学童クラブ4施設を運営する明徳学園には新1年生を含む約150人が在籍している。  

 学園は前代表が採用した職員2人について、21年度内で契約期間が満了したとして雇い止めを通知。2人は退職したが、那覇地裁に労働審判を申し立てた。その結果、雇い止めは無効となり、解決金を支払うことなどで和解。元職員からの審判内容の告発を受け、市は学園などから事情を聞いたほか、22年12月には学童4施設の指導監査を実施。学園は市に経営改善策を提出した。  

 前代表は浦添市議の仲程淳也氏で元職員2人は仲程氏の親族と支援者。20年4~7月に採用された。親族とは雇用契約書を交わさず、支援者とは当初「更新なし」で約半年の有期契約を結んだ。仲程氏は21年2月の市議当選後に退任、理事の金城氏が代表に就いた。仲程氏はその後、臨時社員総会で「就業時間内に選挙活動の手伝いを強制した」ことなどを理由に社員除名された。  

 仲程氏は「労働条件などは口頭で伝えていた」として「無効な雇い止めは私の退任後の話で、補助金の打ち切りなどは私と関係ない」と語った。  

 市は学園が開いた保護者説明会に市職員が出席しようとした際に学園に警察を呼ばれるトラブルがあったことなども挙げ、学園側と「信頼関係が築けない」などと説明。学園は一連の対応を謝罪している。  

(吉田健一)

 


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