【写真多数】 ryuchellさん「本来の幸せ意識へ」 地元・沖縄で語った葛藤、心揺さぶった友の言葉 琉球新報の新講座「step」はじまる


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拍手に笑顔で応えるryuchellさん=14日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 琉球新報社は14日、会員制講座「step~自分らしく一歩前へ」を那覇市の琉球新報ホールで開いた。第1回の講演はタレントのryuchell(りゅうちぇる)さんが登場。「自分らしく生きるために大切にしていること、これからの夢」と題し、自身のこれまでの人生を振り返り、葛藤や気付きについて述べ「本来の幸せを意識して過ごしている」と語った。約250人が参加した。

 幼少期から、ピンク色の服などかわいい物が好きだった。小学生の頃は自分のことを理解する友達に囲まれ、明るく過ごせていたという。しかし中学では先輩に目を付けられるのが怖く、目立たないようにした。小学校の友達から「暗くなった」と心配されるほどだったという。

 「孤独が怖かった。本当の自分を出すと嫌われるかもと思い、自分を隠していた。けど結局、本当の自分を理解してくれる人がいなくて孤独だった」と振り返る。

 心機一転、高校は知り合いのいない学区外の高校進学を決意。中学時代の経験を糧に「孤独でもいいから自分を貫こうと思った」。

 入学前に始めたSNSに、メークした自撮り写真やコーディネートを載せて、県内の中高生から人気が出た。入学式には髪を赤く染めて緑のカラーコンタクトを付け、ハートのシールを目元に貼り、厚底靴を履くなど自分らしさを全開させた。結果、友達もでき楽しい高校生活を送れたという。

講話するryuchellさん=14日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 卒業後は上京して原宿のショップ店員となった。たまたま受けたスカウトで芸能の仕事が一気に増え、人気タレントとなる。多忙な生活を送っていた21歳の頃、仕事で沖縄に行く機会があった。お金はなくても子ども3人に恵まれて笑顔を見せる男友達の「毎日起きれて太陽浴びれて幸せさ」という言葉が印象に残っている。

「東京は正しい道を行く考えになってしまう自分がいるが、人間として生まれてきた本来の幸せに意識を向けようと考えるようになった。心が温かくなる方向でいたい」と話す。

 夢はあまりつくらないというりゅうちぇるさん。「夢をつくると、その道しか歩んでいけなくなる。遠回りでもいろんな道を歩いて感じたことを大切にしたい」と話した。

 講座「step―」は、40年以上続いた「新報女性サロン」のパワーアップ企画で、年6回の講座がある。次回は3月25日、世界最高齢のプログラマー若宮正子さんが講演する。年会費は8千円(学生は6千円)。問い合わせは新報開発、電話098(865)5270。

(中村優希)

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