米軍、下地島空港の訓練使用見送りを沖縄県に連絡 理由に「県が使用を拒否」


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下地島空港(資料写真)

 米軍が今月末に沖縄県宮古島市の下地島空港を訓練で使用するため、同空港を管理する県に「空港使用届」を提出していた件で、在沖米海兵隊の政務外交部は19日、県基地対策課に対して「下地島空港の使用は見送る」と連絡した。基地対策課は、同空港を管理する空港課にも情報を共有し、空港課も了承した。

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 県によると米側は、訓練を見送る理由として「県が使用を拒否した」ことを挙げたという。

 米海兵隊は13日「人道支援、災害救援目的の習熟飛行」を目的に31日に同空港を使用するとして「空港使用届」を県に提出していた。

 県の嘉数登知事公室長は18日、在沖米海兵隊政務外交部長のスティーブン・イースティン大佐に対し、緊急時以外の同空港使用自粛を口頭で要請していた。同日、在沖米海兵隊第3海兵遠征軍は琉球新報の取材に「空港の使用を県が拒否した」などと回答し、訓練を取りやめる考えを明らかにした。

 一方、県には18日時点では米側から訓練取りやめの連絡は入ってなかった。19日午前の段階でも、米海兵隊政務外交部は「訓練取りやめ」が報じられたことについて、県に対し「われわれからそのようなことを話した覚えはない。海兵隊の報道部で報道のように捉えられかねない発表をした可能性があり、確認中だ」と説明するなど、組織内で対応に混乱が見られる場面もあった。

(知念征尚)

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