沖縄県のヘイト条例、性的少数者への差別禁止も明記へ 学生ら、オンライン署名1万3927票を県に提出


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沖縄県庁

 沖縄県が差別的言動(ヘイトスピーチ)防止を目的に制定する「県差別のない人権尊重社会づくり条例(仮称)」に、性的少数者への差別禁止も盛り込む方針であることが22日、県への取材で分かった。県が公表していた条例骨子案の「不当な差別的取り扱い禁止」の項目に性的少数者はなく、取り組みは「理解の増進」にとどまっていた。県は2月の県議会に条例案を提案することを目指して準備を進めている。

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 条例骨子案は「不当な差別的取り扱い」を禁止する対象として「人種、国籍、信条、性別、社会的身分その他の事由」を挙げた。琉球大学法科大学院の学生らは、性的指向や性自認に関しても、他の項目と同様に明記するよう求めるオンライン署名を実施し、1万3927筆を集めた。

 学生らは22日、同大で県の担当者に署名を提出し、意見交換した。意見交換後、県の担当者は琉球新報などの取材に「(学生らの要望について)やるべきだと思っている」と回答した。

 署名を提出した3年次の林桃子さん(26)らは「このままだと(差別を受ける)客体によって、取れる次善策・事後策に格差が生まれる」と問題点を指摘。「県と前向きな意見交換ができた。自分の住む市区町村に条例があるのかなど、考えるきっかけになってほしい」と語った。
 (稲福政俊)

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