【東京】防衛省が3月16日に沖縄県石垣市の陸上自衛隊を発足させる計画を立てていることが、複数の関係者への取材で3日に分かった。防衛省関係者によると、12式地対艦誘導弾(ミサイル)を含む弾薬を運び込むのは3月15~19日を軸に調整している。その後、4月に駐屯地開設の記念式典を開催する予定。
発足に先立ち、今月6日からの週にも物資を搬入する見込み。3月はじめには12式地対艦ミサイルの発射機を含む車両約100台などを運び込む計画で、船舶での輸送に向けて企業と打ち合わせを進めている。石垣港からは公道を通って駐屯地に向かうとみられる。
今回配備されるのは射程百数十キロとされる12式地対艦ミサイルの従来型。1000キロ程度に長射程化して他国の領域を攻撃する反撃能力(敵基地攻撃能力)につながる「能力向上型」とは異なる。
一方、将来的に後継の装備として能力向上型が配備される可能性も否定できず、石垣市議会は昨年末、敵基地攻撃能力の拠点となる懸念から、政府に詳しい説明を求める意見書を可決した。
自衛隊は石垣島に地対艦・地対空ミサイル部隊など約570人を配置する予定。ミサイルを含む弾薬は駐屯地内の弾薬庫4棟に収める。一部施設は地下に造成され、関係者によると有事には作戦室としての使用も想定される。
防衛省は陸自第15旅団の師団化など、県内の防衛体制を増強する方針を掲げている。地対艦ミサイル部隊をうるま市の勝連分屯地に配備するほか、与那国町にも地対空ミサイル部隊を追加配備する計画がある。
(明真南斗)
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