土地利用規制法「対象拡大を」、自民党の特命委が見直しへ議論 中国人の沖縄・屋那覇島「購入」巡り


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土地利用規制法について話し合う自民党の「安全保障と土地法制に関する特命委員会」=7日、党本部

 【東京】沖縄県伊是名村の無人島・屋那覇島を中国人女性が購入したとする件を巡り、自民党の「安全保障と土地法制に関する特命委員会」は7日の会合で、国境離島や米軍、自衛隊基地周辺などの土地取引を規制する「土地利用規制法」の対象を拡大するなど見直しを含めて議論を深めることで一致した。

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 屋那覇島は国境離島ではなく、法規制の対象ではない。7日の会合では、屋那覇島にも規制を適用できるよう「範囲拡大を視野に入れるべきだ」という声が上がった。施行から5年後をめどと記されている施行状況の検討も早めるべきとの意見もあった。

 同時に規制法とは別に、日本全域を対象に国土の適切な利用・管理をうたう理念法の実現も目指す方針を確認した。特命委員長の北村経夫参院議員は、売買に際した事前審査については会議で意見は上がらなかったとしながらも「検討しないといけないと思っている」と述べた。

 島は私有地と村有地が混在。この私有地の一部が2021年2月、当時、那覇市内にあった不動産会社から東京都内に所在する中国ビジネスコンサルティング会社に売却された。土地売却後の今年1月末に、中国人女性が「私が買った」などと主張する動画をSNSに投稿したことが一部で報じられ話題となった。

 土地規制法対策沖縄弁護団の団長を務める加藤裕弁護士は「もともと根拠となる立法事実がないと問題視されてきた法律だが、さらに立法趣旨と説明してきた内容を広げるのはおかしい。経済活動の自由やプライバシーを侵害する恐れがある」と指摘した。

(明真南斗)

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