【東京】沖縄本島北方の無人島、屋那覇島を購入したとする中国人女性の交流サイト(SNS)への投稿が注目されている件で、島の一部を所有していた不動産会社の監査役が、島の売買当時の経緯について監査をする意向を示していることが23日までに関係者への取材で分かった。島の売買に関する報道が相次ぎ、役員の一部から「取引に不透明な部分がある」との声が上がったことなどを受けて対応を決めた。
関係者への取材や登記情報によると、島は私有地と村有地が混在しており、この私有地の一部が2021年2月、当時、那覇市内にあった不動産会社から東京都内に所在する中国ビジネスコンサルティング会社に売却された。
大半の土地が売却されたが、一部の土地は不動産会社の所有権移転請求の仮登記のままで、所有権の本登記には至っていない。
同土地の売却後の今年1月末に、中国人女性が「私が買った」などと主張する動画をSNSに投稿したことが一部で報じられ話題となった。
こうした経緯について、不動産会社の奥茂治取締役は「売却の経緯については詳細を知らされていなかった」と指摘。同社は会社定款上、本店を那覇市に設置すると記載しているため、土地売却後の21年11月に那覇市から都内に本店を移したことに「定款に反した移転であり、不可解だ」としている。
琉球新報の取材に応じた不動産会社の監査役の男性は、奥氏からの指摘などを受けて売買当時の経緯について、都内に在住する代表取締役の男性を含め、土地の売買に関わった関係者に問いただす考えを示した。
この土地を巡っては、コンサル会社への売却前に、モルディブとタイで高級リゾートを展開するソネバ(ソヌ・シブダサニCEO)への売却計画が浮上。土地の債権者とのトラブルから計画は頓挫し、担保不動産としての競売の開始決定と取り下げを経て、当時、土地を所有していた不動産会社が任意売却していた。
(安里洋輔、斎藤学)
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