那覇市議会、久高氏の議長辞職を許可 5000万円授受問題 9日に後任選挙、野原副議長が有力視


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久高友弘氏

 民間女性が所有権を主張する那覇市の市有地を巡り、土地購入を希望する不動産業者から那覇市議会の久高友弘議長(74)=自民公認、10期=らへ議長室で現金5千万円の受け渡しがあった問題で、市議会は7日本会議を開き、久高氏が提出した議長の辞職願を全会一致で許可した。

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 議会運営委員会も同日開かれ、新たな議長を決める選挙を9日に実施することを決めた。野原嘉孝副議長が有力視されているが、他に意欲を示す議員が与党内に複数いる。

 議長室での現金受け渡しは20年12月と21年2月にあった。久高氏は渡された現金の領収証に署名したが、現金は「女性の後見人が持っている」と主張し、自身が収めたことは否定している。

 久高氏は7日、取材に対し、辞職理由について「(議長室で現金受け渡しがあったことは)言い訳ができない事実だ」とした上で、違法性については「警察が調べることだ」と述べた。記者会見など市民に説明する場を設けるかについては「今はやらない。やっても『説明が足りない』とか新たな問題が出てくる。落ち着いてからだ」と話した。

 久高氏は2019年に議長に就任。21年の市議選で当選後、再び就いていた。那覇市議会では委員会の任期(2年)が終わる時に議長も交代する慣例があり、今年8月まで務める見通しだった。

 久高氏は県市議会議長会と九州市議会議長会の会長も務めていた。県市議会議長会は今後、総会などを開いて新会長を選出する。九州市議会議長会は9日に決まる那覇市議会の新議長が会長となる。
(伊佐尚記)
 

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