大江健三郎さん死去 沖縄の問題に深い関心 辺野古も訪問


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
海上から辺野古沖の様子を視察する大江健三郎さん=2015年6月20日午前11時13分、名護市の辺野古沖

 ノーベル文学賞作家で、平和・護憲の言論活動を展開した大江健三郎さんが3日未明、死去した。

 大江さんは復帰前の1965年の初来訪以降、沖縄に何度も足を運び、70年に日本と沖縄の関係や米施政権下の実態を記した「沖縄ノート」を出版した。著書の沖縄戦での「集団自決」に関する記述に対し、元戦隊長らが名誉を傷つけられたとして2005年に裁判を起こしたが、11年4月、最高裁は原告の上告を退け、大江さん側の勝訴が確定した。

 2015年4月には、辺野古新基地建設を巡り有識者ら22人で「埋め立て工事の即時中止」を求める緊急声明を発表した。また同年11月の那覇市内での講演では、辺野古新基地建設について「狭い沖縄に核兵器の基地があるということが本質的問題。移設しても根本的には何の解決にもならない」と指摘していた。

 琉球新報デジタルに掲載された大江氏に関する記事をまとめた。

 

【大江さんと沖縄・関連記事】

▼大江氏、辺野古移設「解決にならぬ」 政府の強行批判(2015年11月23日)

▼「知事の承認取り消し支持」 大江氏ら識者24人が声明(2015年10月26日)

▼大江氏、辺野古「沖縄の反撃に心から声援」本紙に手記(2015年8月7日ウェブ掲載)

▼大江健三郎さん 辺野古を訪問 「市民側が勝つ」(2015年6月20日)

▼大江氏の決意メモ発見 65年初来沖、沖縄県内被爆者宛て(2014年8月6日)

▼大江健三郎氏、護憲訴える 東京で沖縄問題シンポ(2014年4月26日)