環境省は14日、石垣島と西表島の間にある日本最大のサンゴ礁・石西礁湖の白化現象について、2022年12月に実施した調査結果を発表した。31調査地のサンゴの平均白化率は50.2%で、22年9月に実施した調査時(92.8%)から42.6ポイント低下した。石西礁湖では昨年夏、サンゴの大規模な白化現象が進んだが、9月以降、台風接近による海水温の低下などが影響し、回復したとみられる。
今回の調査は22年12月2~13日の日程で実施した。白化状況の内訳は、色が薄まっている群体が24.5%、全体が白化した群体が1.4%、全体が白化した上に死んだ状態の群体が24.3%だった。健全な群体は49.8%だった。死んでいないサンゴは、状況が改善すれば回復することもある。
白化率が低下した理由について環境省は、22年9月に八重山地方に台風が接近したことで、海水温が低下したことが影響した可能性があるなどとしている。
一方、生きたサンゴが海底を覆う面積の割合を示す被度は、9月調査時(21.6%)から4.6ポイント低下し17%だった。白化から回復できずに死んだサンゴがあったことや、台風による物理的な損壊などが影響していると考えられるという。
(西銘研志郎)
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