妻と口論、高さ30メートルの橋で宙づりの観光客 「生きていればいいこと必ず」励まし救助の男性に感謝状 沖縄・石川署


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宙づりになっていた男性を救助した宮崎豊さん(右から2人目)と家族、感謝状を贈呈した大城靖石川署長(右端)=2月17日、石川署

 【恩納】沖縄県警石川署(大城靖署長)は2月17日、恩納村の赤間橋で約30メートルの高さで宙づりになった観光客の40代男性を救助したとして、宮﨑豊さん(64)=恩納村、農業=に感謝状を贈呈した。宮﨑さんは「一人の命を救うことができて安心した」と語った。

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 石川署や宮﨑さんによると1月、宮﨑さんがバイクで赤間橋を通りかかると、女性が「助けてください」と訴え走ってきたという。宮﨑さんがバイクから降りると、男性が歩道から欄干の外に手を伸ばし、その手につかんだ別の男性が約30メートルの高さで宙づりになっていた。宮﨑さんは急いで欄干の外側に移動し、左腕で欄干、右手で宙づり男性の腕をつかみ「生きていればいいことは必ずある」などと声をかけ続けた。

 宮﨑さんがつかんでいた男性の腕に次第に力が入り、男性は周囲の力を借りながら欄干の内側に戻った。男性は妻と口論になり、投げやりになっていたという。

 感謝状贈呈式で大城署長は「危険を顧みない人命救助に心から感謝している」と述べた。宮﨑さんの息子(8)と娘(5)は口をそろえて「パパは知らない人を助けてかっこいい」とほほえんだ。
 (友寄開)


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