沖縄の「家系」ラーメン普及、恩人に感謝 3月30日は「沖縄家系の日」県内20店がオリジナルラーメン販売へ


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「沖縄家系の日」をPRするちゅらグルメの下地友香編集長(左)、トルネコパーパ店主の野崎達彦さん=24日、那覇市泉崎の琉球新報社

 沖縄に「家系(いえけい)」ラーメンを普及させた恩人の思いを継いでいきたい―。県内ラーメン店有志が3月30日を「沖縄家系の日」と銘打ち、有名店20店舗が1日限定でオリジナル家系ラーメンを販売する。イベントの主催者は「沖縄のラーメン店が1日だけ同じ方向を向き、原点回帰する日。ファンは好きなラーメン店の家系を食べて楽しむ日にしたい」と話す。

 県内のラーメン屋は約360店舗に上る。現在の活況の火付け役の1人が「沖縄武蔵屋」創業者の男性。県民好みの味に仕上げ、1年ほどで行列ができる店に成長させた。

 家系ラーメンは横浜市発祥とされるラーメンの系統で、豚骨しょうゆベースで太いストレート麺、ほうれん草、チャーシュー、海苔のトッピングが特徴とされる。男性は、沖縄で家系ラーメンを広げるため、新たに開店したいという「ライバル」にもノウハウを提供し、人脈もつないだ。それが、業界の広がりや底上げにつながっていた。ところが2020年3月30日、男性は志半ばでこの世を去った。恩人に敬意を表し、県内ラーメン店の店主有志は22年3月30日、それぞれの店でオリジナル家系ラーメンを1日限定で販売した。大々的な告知はしなかったが即完売する店もあるなど、反響は大きかった。

 今年も3月30日を「沖縄家系の日」とし、それぞれの店がオリジナルの家系ラーメンを提供する。どのような商品かは当日の午前10時まで明かされない。

 イベント呼び掛け人で、那覇市のトルネコパーパ店主の野崎達彦さんは「県外の規定にとらわれず、沖縄独自の家系ラーメンを作っていきたい。だしもトッピングも自由」とする。今後は野外ラーメンフェスやラーメングランプリも予定する。イベントを積み重ねることで「ラーメン人口の増加と沖縄ご当地の家系ラーメンができあがっていけばいい」と話す。

 「沖縄家系の日」の参加店舗などの詳細はちゅらグルメHPで確認できる。

(玉城江梨子)

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