待ってたよ!中華料理の「北京亭」 クラファンと地域の支えで再オープン 沖縄市中央パークアベニュー 


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新店舗前で料理を持つ(左から)店主の仲本兼和さん、支援者の仲本武史さん=12月3日、沖縄市中央パークアベニューの中華料理店「北京亭」

 【沖縄】昨年11月に惜しまれながら閉店した沖縄市中央の中華料理店「北京亭」が12月3日、中央パークアベニューで復活、再オープンを果たした。復活を求める根強い声に、再開を目指したクラウドファンディングのほか、再オープンまでには地域の人々の支えがあった。店主の仲本兼和さん(85)は「皆さんに感謝しながら料理の研究を怠らず、おいしいと言ってもらえる料理を提供していきたい」と再挑戦への思いを強くしている。

 >>「北京亭」の閉店を伝える記事

 

 北京亭の復活に向けて、同店のファンで県ローラースポーツ連盟理事の仲本武史さん(54)がクラウドファンディングを開始。5月末までに全国から108万2000円の支援が寄せられた。当初は7月のオープンを目指していたものの、移転先となる場所が約10年間、空き店舗だったため老朽化が激しく、さらに工事が必要な状態だった。

 そのための資金が乏しい中で、武史さんが一人で店舗をリフォームした。また、近隣のせともの店から什器が無償で提供されたほか、近隣の住民からは椅子やテーブル、プロパンガス業者のマルヰ産業から新品の餃子焼き機とフライヤー(揚げ物を作るための調理器具)が無償提供され、資金を抑えながら開業までにこぎつけた。

(前列左から)復活した幻のメニュー春巻き、定番の五目焼きそば、(後列左から)チャーハン、餃子

 兼和さんは「昔の味を大切にしたい、という地域の皆さんの思いがうれしい。武史さんがよくやってくれたことに感謝している。支えてくれた妻の弘子にもお礼を言いたい」と話す。

 支援する武史さんは「コザの食文化遺産なので、地域の味として残していきたい。店舗継承のためにも、兼和さんから仕込みを含めて継承する料理人の育成も合わせて行っていきたい」と話す。「今回のケースを事例にして、街のストーリーも含め閉店した店舗の味の復活を目指していきたい」と意欲を見せた。
(喜納高宏通信員)


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