沖縄・西表島への入域観光客数、1日の上限1200人 管理計画発表 利用者負担導入も


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
西表島(資料写真)

 世界自然遺産地域の保全管理のために地域や関係機関でつくる地域連絡会議の西表島部会は28日、竹富町西表島への入域観光客数の上限を盛り込んだ「西表島観光管理計画」を発表した。年間の観光客数の上限を33万人、1日当たりの上限を1200人に設定した。観光客数増加による環境への影響を最小限とすることを目指す。島全体の観光客数の上限を定める計画の策定は初となる。計画に基づく具体的な取り組みは今後、観光客への周知など条件が整い次第、実施する。

 西表島の観光客数を前年比1割以上増加させないことも定めた。基準となる2019年の観光客数は約29万人だった。

 世界自然遺産地域内ではエコツーリズム推進法に基づく立ち入り制限や、町が定める基準を満たしたガイドにのみに、自然観光事業を認める免許制度「町観光案内人条例」といった、法的拘束力を持った管理を実施する。

 計画では①イリオモテヤマネコのロードキル対策の普及啓発強化②「町訪問税(仮)」といった利用者負担制度などの導入による、責任ある観光の促進―なども定めた。

 町の通事太一郎自然観光課長は「計画を策定したから終わりというものではない。課題の解決に向けて今後も取り組んでいきたい」と語った。
(西銘研志郎)

【関連記事】

▼西表島の5カ所、観光客立ち入り人数制限へ 環境省がエコツーリズム全体構想を認定

▼【写真あり】入域客を抑制し環境負荷の軽減図る 竹富町西表島の取り組み

▼【写真特集】世界自然遺産!やんばる、西表の生き物たち

▼【ルポ】山と海が一体となり豊かさ育む西表島

▼自然環境の保全と観光、どう両立?考えるべき課題は 沖縄・奄美世界自然遺産登録から1年