陸自ヘリ事故 前師団長の死亡を確認 機体の回収へ引き上げ船業者と契約


この記事を書いた人 琉球新報社
坂本雄一氏(防衛省提供)

 【東京】宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプター事故で、陸自は21日、これまでに死亡が確認された隊員とみられる5人のうち1人が事故当時第8師団長だった坂本雄一陸将(55)と判明したと発表した。陸自は、伊良部島北側で見つけた機体主要部の引き上げに向け、深田サルベージ建設のグループ会社・オフショアエンジニアリング(東京)と約10億円で契約した。

 ▼【写真】すぐ側には観光客  「川をさかのぼり、マングローブ林の奥まで」 自衛官らが徒歩で捜索 海岸線を1日10キロ超も 

  坂本氏の身元は家族の確認とDNA鑑定で特定した。北海道出身。1991年に防衛大を卒業。第12旅団長などを務めてきた。陸自は師団トップの不在が長引くのを防ぐために21日付で第8師団長を交代させていた。

 機体引き上げに向けた入札が21日にあった。オフショアエンジニアリングは、深田サルベージが防衛省関連業務を受託するために支援業務を担うグループ会社として設けた。深田サルベージは普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた調査や土砂投入に船を派遣してきた。

 21日も宮古島市の海域では捜索が続いた。「飽和潜水」はしていない。関係者によると、死亡が確認された5人は沖縄本島に搬送されている。陸自によると、捜索に参加した陸上部隊は延べ約4500人。  

(明真南斗、友寄開)

【関連記事】
▼【動画あり】不明ヘリか 飛行中とらえた動画

▼【動画あり】防犯カメラに直前映像の可能性

▼洋上飛行を想定せず 発信機「ビーコン」が未装備 

▼【写真】搭乗隊員のヘルメット1個を洋上で回収

▼陸自、整備・操縦士の「欠員深刻化」を予測