2023年の全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)は、慶応(神奈川)が史上最長ブランクとなる107年ぶりの優勝で幕を閉じた。
沖縄代表の沖縄尚学は県勢で8年ぶりとなるベスト8に進出したが、準々決勝で慶応を相手に2ー7で敗れた。
夏の甲子園において、沖縄の代表校は2010年に春夏連覇を達成した興南以来、4強の壁を突破できずにいる。春の選抜大会(春の甲子園、センバツ)でも、ベスト4に進んだのは同じ2010年が最後だ。
ここで、はたと気がついた。沖縄勢に限らず、九州の学校も久しく甲子園の決勝で見かけていないのでは?
今年の夏は神村学園(鹿児島)が九州勢で唯一ベスト4に残ったが、準決勝で惜しくも仙台育英(宮城)に敗れた。夏のベスト4入りは、鹿児島代表としては2006年の鹿児島工以来17年ぶり、九州のチームとしては2016年の秀岳館(熊本)以来7年ぶりだった。
2010年の興南の春夏連覇や、2007年夏に「がばい旋風」を起こして優勝した佐賀北など、強烈な印象を残したチームもある。春と夏の甲子園で、九州各県の代表がベスト4(準決勝)以上に進出した回数を振り返ってみた。
甲子園での通算成績を見てみると、春夏通じて勝率が高いのが沖縄で、春は.484で九州勢の中で2位、夏は.575で1位だった。一方、長崎は春は.509(1位)と高いが夏は.387(7位)で極端な結果となった。
九州勢のうち直近で甲子園優勝を達成したのは2010年の興南だ。
それ以前は、2009年春の清峰(長崎)、2008年春の沖縄尚学、2007年夏の佐賀北、1999年春の沖縄尚学、1996年春の鹿児島実、1994年夏の佐賀商、1992年夏の西日本短大付(福岡)と続き、80年代は優勝がなかった。
平成以降の優勝回数を県別に比較すると、沖縄のチームが断トツとなる4度の優勝を誇り、佐賀が2度、長崎と鹿児島と福岡が1度ずつとなった。
いまだかつて甲子園の優勝旗が渡ったことがない県は宮崎だけだった。
甲子園の熱も冷めやらぬ中、9月には秋季大会が始まる。各県の上位校は来春の選抜大会(センバツ)の選考資料となる九州大会へ進む。九州で令和初の甲子園優勝旗を手にするのはどこか。新たな挑戦の幕は既に上がっている。
(大城周子)
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