人気ラジオ番組「民謡で今日拝(ちゅううが)なびら」(RBCiラジオ)で56年間パーソナリティーを務めた上原直彦さん(84)が29日、番組を卒業した。最後の出演となった放送で上原さんは「番組をかわいがってほしい」とメッセージを寄せた。
番組では、事前に録音された上原さんのメッセージを放送した。上原さんは「放送屋冥利に尽きる」と感想を語った上で、「ウチナーンチュが頑張っているうちは、島うたは絶対になくならない。恋人を愛するように愛していけば、番組は続けられる」と語った。
この日は、2020年3月に番組を卒業した八木政男さんもスタジオ出演。上原さんの言葉を聞いた八木さんは「懐かしくて、なだぐるぐるーした(涙が出た)。なおやん、元気で長生きしてほしい」と語った。
パーソナリティーのよなは徹さんは「まだまだ僕は、ならいちゃーき(習い始め)。もっと教えてほしい」と話した。島袋千恵美さんは「三線、島唄、はいさいちゅーうがなびらという言葉は、直彦さんが番組で使って浸透した言葉。先輩から受け取ったバトンは大きく重いが、丁寧に作っていきたい」と意気込んだ。
上原さんは琉球新報記者を経て1959年に琉球放送に入社。63年から番組のディレクター、67年からパーソナリティーとして出演。病気療養のため2020年4月からは週1回の電話出演に移行していた。 (田吹遥子)