「今が青春」88歳ラジオパーソナリティーの生涯を映画化 沖縄市の福嶺初江さん


「今が青春」88歳ラジオパーソナリティーの生涯を映画化 沖縄市の福嶺初江さん 88歳で人生を満喫する福嶺初枝さん(中央)を招いて語る映画「なまどぅさらばんじ 今が青春」のトークショー=2日夜、沖縄市のシアタードーナツ・オキナワ
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 【沖縄】沖縄市在住でFMコザのパーソナリティーなども務める福嶺初江さん(88)の生涯が映画になった。映画「なまどぅさらばんじ 今が青春」は、多良間島で生まれ育ち、大人になって沖縄本島に渡って生きてきた福嶺さんの生活史を追った話。幼少期、多良間島では聴覚障がいの母がひどい仕打ちを受け、戦争も経験したが、明るく生きてきた。70代でコザ高校夜間部を卒業し、沖縄本島のしまくとぅばを学ぶために那覇市の方言教室に通うなど、好奇心旺盛な福嶺さんの人柄を描いている。

 街では「かまどおばぁ」や「はっちゃん」の愛称で親しまれる福嶺さん。2018年にはシージャ(先輩)たちの経験をダンスで表現して伝承する「シージャダンスプロジェクト」にも参加した。農作業中に米軍の機銃掃射を受け、耳の聞こえない母に必死で危険を伝えようと子ども時代の記憶を表現した。

 映画では生まれ島の多良間を訪ね、懐かしい友人やかつての近所の人たちと交流し、過去の負の記憶を乗り越えていく様子も描かれている。

 完成した映画の上映会とトークショーが2日、沖縄市のシアタードーナツ・オキナワであり、福嶺さんと監督の泉山朗士さんが登壇した。福嶺さんは「人生は今が華。いつも今が一番楽しい」と語り、「今が青春」を地で行く生き方に観客から拍手を送られていた。

 映画は文化庁の「ARTS for the future!」の助成を受けて製作した。県内ではシアタードーナツで今月29日まで上映する。18日には東京の「ねりま沖縄映画祭」でも上映する。

(島袋良太)