農研機構九州沖縄農業研究センターは17日、「紅いもタルト」などの加工原料用として、サツマイモ基腐(もとぐさ)れ病に抵抗性がある新紅イモ「おぼろ紅」を開発したと発表した。不足がちな県産紅イモの安定供給が期待されている。
同機構は、2024年から県内で本格的に栽培を始め、25年には10ヘクタールの栽培面積の拡大を目指す。同機構によると、おぼろ紅は、県内の紅イモの8割以上を占める「ちゅら恋紅」と比べ、基腐病に感染する割合が約4分の1だという。
サツマイモの立ち枯れや腐敗を引き起こす基腐病は2018年、県内で初めて確認された。紅いもタルトの原材料として使用されているちゅら恋紅は基腐病への抵抗性が十分ではなく、今年4月には紅いもタルトが品薄になるなど影響が出た。
肉質や硬さも加工に適しており、同機構は「農家が安心して生産できる品種だ」としてる。(玉寄光太)