1911年に本部町伊豆味からペルーに移民し、その後、ボリビアに移住した平安山英政さんのひ孫のヘンザン・マツノ・キクノ(34)さんが4日、英政さんの親戚に当たる平安山英雄さん=宜野湾市=とオンラインで交流した。キクノさんは沖縄で英政さんの親戚を探しており、念願がかなった。
宜野座村の阿波連宗順さん(78)がキクノさんから頼まれてルーツを調べており、それが琉球新報に掲載された。この記事を読んだ英雄さんが名乗りを上げた。
英雄さんも本部町伊豆味出身で、今年9月の琉球新報の記事で、阿波連さんが英政さんのルーツを調べていることを知り、友人で家系図の調査や記録を行っているファミリーサーチ沖縄地区調査員の安里吉隆さん(64)と共に、英政さんが親戚ではないかと調べていた。
英雄さんと那覇市歴史博物館によると、平安山家は泊系の士族「相姓(そううじ)」の子孫で、名前の頭には「英」が着く。英政さんにも「英」が着くことから、英雄さんらが、相姓の家譜などを調べたところ、記録に残っていた。
4日、阿波連さん宅でビデオ通話した英雄さんとキクノさんは初めての対面を喜び、互いに涙を流した。キクノさんはルーツ探しを手伝ってくれた阿波連さんに「ありがとう」と何度も感謝を伝え、「初めて親戚と会えて心臓がばくばくしている。とても幸せだ」と話した。
英雄さんは「私も新しく家族ができたみたいでとてもうれしい」と笑顔を見せ、キクノさんに「ぜひ、沖縄に来てください。一緒に伊豆味へ行きましょう」と話した。
2人の初対面に立ち会った阿波連さんは「これだけ資料もそろっていれば、おじいさんの戸籍も復活できるはず。本当によかったね」と話し、2人を優しく見守った。 (金城大樹)