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長射程ミサイルの配備は2025年度 防衛相が1年前倒しを発表 敵基地攻撃能力、沖縄県内が拠点になる可能性


長射程ミサイルの配備は2025年度 防衛相が1年前倒しを発表 敵基地攻撃能力、沖縄県内が拠点になる可能性
この記事を書いた人 琉球新報社

 【東京】木原稔防衛相は15日の閣議後会見で、12式地対艦誘導弾(ミサイル)について、射程を延ばして敵基地攻撃能力(反撃能力)を担えるようにした「能力向上型」の配備を2026年度から1年前倒しして25年度にすると発表した。射程百数十キロとされる従来型を約千キロの能力向上型に順次換え、将来的には従来型を扱う全ての部隊に配備することを検討している。

 沖縄県内が敵基地攻撃能力の拠点の一つになる可能性がある。県と米軍・自衛隊施設が所在する27市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)などは、敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの配備に反対し、日本政府にも伝達している。

 12式地対艦ミサイルの従来型は宮古島市や石垣市、鹿児島県・奄美大島に配備されているほか、23年度中にうるま市の勝連分屯地にも新たに配備される計画。

12式地対艦誘導弾の能力向上型(防衛白書より)

 木原氏は15日の会見で、能力向上型の配備先について「検討中」と述べた。従来型を全て能力向上型に置き換えるのか問われ「能力向上型の方がアップデートされていくので、当然そういうものを目指していく」と語った。一方で「場所によって必ずしも長射程が必要ない場合もあると思う」と付け加えた。

 配備の前倒しについて「日本が(敵の射程圏外から攻撃可能な)スタンド・オフ防衛能力を早期に獲得しなければならないとの切迫感を具現化した」と強調した。

(明真南斗)