大勢の利用客で混み合うチェックインロビー＝３日午前11時19分、那覇空港（小川昌宏撮影）
琉球新報社 羽田空港での航空機衝突による火災事故に伴い、羽田便の欠航が相次いだ2日から一夜明けた3日午前、那覇空港は多くの帰省客で混雑している。那覇発羽田行きの便はけさから運航が再開され、空席待ちや振り替えのため、カウンターには長蛇の列ができていた。
羽田空港での火災事故を受け、3日にかけても羽田―那覇・先島諸島を結ぶ航空便に欠便7便や遅延などの影響が出ている。3日午前10時半時点で、日本航空（JAL）の羽田発那覇行きの3便、同石垣行き1便、全日空（ANA）の羽田発那覇行き3便の欠便が発表されている。ほかにも、日本航空の羽田―那覇間の4便や全日空の羽田―那覇・宮古間の計9便などで遅延が発生していて、少なくとも2千人以上に影響が及んでいる。各航空会社は、手数料無しでの便の変更や払い戻しなどの対応を取っている。
那覇空港では3日、疲れた表情で羽田行きの便の空席を待つ家族連れなどの姿が見られた。出発便の案内表示板では、羽田行きの便に遅延の文字が目立つ。日本航空始発の午前7時半の便は午後1時20分に遅延が決まっており、午前10時前後発の便も1時間程度遅れが生じている。
2日夜の便で羽田に向かう予定だった家族連れの女性（39）＝東京都＝は、3日午前、カウンター近くで座り込んでいた。きょうだいの家族ら計10人で沖縄に観光に来ており、欠航になったため2日の夜はホテルを探して泊まったという。「きょうは乗れそうだが、羽田便は無理そう。名古屋か大阪に行ければ。きょうから仕事始めの予定だったので影響は大きいです。とりあえず帰りたい」と話した。
東京都から年末を沖縄で過ごすためきていたカップルの20代女性と30代男性は、2日午後7時すぎの羽田行きの便で東京に戻る予定で、荷物検査を済ませて搭乗ゲート近くで待っていたところ、事故を知ったという。乗るはずの便は欠航になり、出発ロビーに戻され、列に並んで整理券をもらって、3日朝から空港で待機していた。「東京に戻れなくても、念のため福岡便はとったので、新幹線で広島を経由して戻るしかないかもしれない。しょうがないですね。地震とか事故とか今年は続きますね」と諦めた様子で語った。（西田悠、中村万里子）
