防衛相、県との協議終えず「着工」も否定せず 軟弱地盤工事 辺野古新基地建設 


防衛相、県との協議終えず「着工」も否定せず 軟弱地盤工事 辺野古新基地建設  閣議後の会見で話す木原稔防衛相=9日、防衛省
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 【東京】沖縄県にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り、木原稔防衛相は9日の閣議後会見で、当初の埋め立て承認時に「留意事項」として定められている沖縄県との事前協議が調うまで大浦湾側で工事を始めないか問われたが、「引き続き適切に対応していく」と繰り返し、県との協議が終わる前に着工する可能性を否定しなかった。

 また、木原防衛相は「沖縄防衛局において(2023年)9月以降、県と実施設計に関する協議をしている」と語った。沖縄県はこれから事前協議に応じると回答する予定で、協議開始を巡っても国と県の認識が食い違っている。

 沖縄防衛局が2013年に埋め立て承認を受けた際の「留意事項」は、防衛局に対し、実施設計について事前に沖縄県と協議するよう定めている。防衛局は23年9月、軟弱地盤のある大浦湾側の工事を見据えて沖縄県に協議書を提出したが、県は同10月、代執行訴訟が継続中で設計変更申請が承認されていないことなどから、「協議に応ずることはできない」と回答していた。

 その後、代執行訴訟の判決に基づいて、国が沖縄県に代わって防衛局の設計変更を承認した。これを受けて県は今後、協議に応じる旨を回答する構えだ。(明真南斗)