【東京】16日に来県する木原稔防衛相はこの日朝の閣議後会見で、沖縄県の玉城デニー知事との会談で米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「政府の考え方を丁寧に説明したい」と述べた。辺野古移設を含む「嘉手納より南」の米軍施設・区域返還に取り組むことも伝える考えを示した。「玉城知事からは沖縄の基地負担軽減に関する思いを伺う」と語った。
木原氏は昨年9月に防衛相に就任して以来、今回初の沖縄本島訪問となることに「できるだけ早いタイミングで沖縄本島への訪問を希望していたが、さまざまな日程の都合などがあった」と説明した。
一方、米軍が3カ月連続で米軍嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を実施した問題について、伊江島補助飛行場での実施を合意した1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告が形骸化しているとの指摘に、「今回の訓練は『例外的な場合』に該当し、SACO最終報告が形骸化しているとの指摘は当たらない」と述べた。
米軍の15日の降下訓練について「隊員の搭載、離陸、降下、着陸という一連の活動を2度、繰り返した。(滑走路が使用できない)伊江島補助飛行場ではできず、嘉手納基地を使用せざるを得なかった」と米軍の対応に理解を示した。
木原氏は今回の沖縄本島訪問で、自衛隊の那覇基地も視察するとし「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境にある中、国防の最前線の状況をこの目で確認し、自衛隊員を激励する」と強調。米軍基地所在市町村の首長と会談する予定について「引き受けていただいている基地負担の実情を直接伺い、率直な意見をもらいたい」と語った。(明真南斗)