23年の泡盛出荷量、再び減少に 「復帰50年」翌年で反動も 沖縄県酒造組合【グラフあり】


23年の泡盛出荷量、再び減少に 「復帰50年」翌年で反動も 沖縄県酒造組合【グラフあり】 泡盛グラス(イメージ)
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 沖縄県酒造組合が15日に発表した2023年の琉球泡盛(アルコール度数30度換算)の総出荷量は、前年比3・4%減の1万2865キロリットルだった。22年は新型コロナウイルスの制限緩和や日本復帰50年の節目が重なり、泡盛を含む沖縄への注目が高まるなど18年ぶりに対前年比で増加したが、再び減少に転じた。

 出荷先別は、県内が前年比2・4%減の1万302キロリットル、県外が6・3%減の2526キロリットル、海外は47・2%減の37キロリットルで、いずれも前年を下回った。海外向けは中国や米国の落ち込みが響いた。

 23年は新型コロナの5類移行で入域観光客数が回復するも、下半期は伸びが鈍化した。全国旅行支援の終了の影響や、NHK朝ドラ「ちむどんどん」放映や「世界のウチナーンチュ大会」などのイベント開催があった前年の反動もあり、伸び悩んだ。

 円安や原材料費高騰を受けて値上げに踏み切る酒造所が相次いでいるが、県内44酒造所のうち営業赤字は9社減の21社で、累計の営業損益は5年ぶりに黒字となった。

 24年5月から、沖縄の日本復帰に伴い半世紀以上続いてきた酒税軽減措置が段階的に縮減される。酒造所の経営環境は厳しさを増すが、県酒造組合の佐久本学会長は「若年層に向けたプロモーションやSNSを活用した情報発信の強化を図っていく」と語った。

(當山幸都)

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