デニー知事、5月に日米両政府抗議へ 嘉手納基地で5カ月連続の降下訓練「常態化させようとしている」 沖縄


デニー知事、5月に日米両政府抗議へ 嘉手納基地で5カ月連続の降下訓練「常態化させようとしている」 沖縄 定例会見で記者の質問に答える玉城デニー知事=26日午前10時38分、沖縄県庁(大城直也撮影)
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 沖縄県の玉城デニー知事は26日の定例記者会見で、米軍が嘉手納基地で5カ月連続でパラシュート降下訓練を強行したことに「もはや常態化させようとしているのではと疑わざるを得ない」と批判した。5月の早い段階で日米両政府に抗議する考えを示した。

 米軍は伊江島補助飛行場の滑走路が整備されていないことを理由に、住宅地に近い嘉手納基地での訓練を繰り返している。玉城知事は滑走路の整備には時間を要するという見通しを示し「整備されるまでの間は国外、県外でパラシュート降下訓練を実施するべきだ。5月に早い時期に、日米両政府に対して私から厳重に抗議と申し入れをしたい」として、調整を進めていることを明らかにした。

 1952年4月28日に、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本が主権を回復すると同時に沖縄や奄美、小笠原諸島がアメリカの施政権下に置かれた「屈辱の日」。72年の節目を前に、今もなお在日米軍施設面積の7割以上が沖縄に集中し、基地から発生する事件・事故や環境問題に苦しめられているとして「沖縄の基地負担軽減を確実に図るためには、提供責任者である日本政府、運用する米国政府との間で積極的に協議する必要がある」と指摘した。

 政府は南西諸島での自衛隊配備拡大を進めている。玉城知事は「米軍の機能や規模が縮小されないまま自衛隊の配備拡張が進められることは、沖縄の基地負担増加につながる。米軍と自衛隊を合わせて、沖縄に過重な配備にならないことが大前提であらねばならない」と話した。

 ダムの貯水率に関しては、貯水率が回復傾向にあるが、引き続き当面は節水を呼び掛けるとした。有機フッ素化合物(PFAS)汚染が指摘される中部水源からの取水については「貯水率が回復したら、汚染値の高い水源からの取水は停止したいと考えている」と話した。

(沖田有吾)