1997年12月に海底で確認された対馬丸の船名。船首右部にあり、右から「對馬丸」と読める（JAMSTEC提供）
嘉数 陽 【東京】自見英子沖縄担当相は23日の記者会見で、太平洋戦争中に疎開する児童らを乗せ、米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没した対馬丸の水中再調査の実施に前向きな姿勢を示した。来月末頃にまとめる、2025年度沖縄関係予算の概算要求への計上に向けて「国として必要な支援ができるように調整をしていく」と述べた。
自見氏は「対馬丸の現在の姿の撮影や遺品収集ができれば、対馬丸記念館の質を高めることにつながる」と述べ、遺族らが求めている遺品収集にも前向きな姿勢を示した。
対馬丸は1997年に位置確認調査が実施された。今月18日には対馬丸記念会のシ良政勝理事長らが内閣府を訪れ、水中調査の実施などを要請していた。
自見氏は会見で、沖縄担当相に着任後、初めて対馬丸記念館を訪れた際に「一目でも、どういう状況になっているのか見たいという（遺族らの）切実なお話も聞いた」と述べた。対馬丸事件の記憶を風化させることなく継承することは「沖縄担当大臣をしている私の責務」と語った。（嘉数陽）
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