琉球新報が28日に開いた衆院選当選者座談会には、県内4選挙区と比例代表九州ブロック当選者9人のうち、前職7人、新人1人の計8人が出席した。与党過半数割れとなった選挙結果の受け止めや、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題について議論を交わしたほか、今後の国会活動への抱負・意気込みなど、多岐にわたるテーマについて意見を出し合った。 (敬称略、’24衆院選取材班)
米と対等立場で改定 山川氏
―日米地位協定の改定についてどう考えるか。
国場 最も見直すべきは管理権。主権国家として県民の権利はしっかり確保すべきだ。ただ非常に難しいテーマで国民への丁寧な説明が必要だ。
宮崎 政治家になる前から日米地位協定の改定はできる、改定すべき点があると主張してきた。県民の不満と不安の象徴になっている。必ず変えなきゃいけない。
屋良 例えば関東上空は米空軍が管理している。独立国家としてあるまじきことだ。何が住民生活に必要か、議論するきっかけをつくらなければならない。
山川 外務省は運用の中で改善するとしているが、県民が求めていることとは異なっている。米国と対等な立場で、日本のルールで改定を進めることが大事だ。
金城 石破氏は総裁選前から改定に言及していた。首相になり今まで以上に改定に向けた機会が増えるはずだ。中身が示された時に論議を深められるようにしたい。
赤嶺 石破氏は、総裁選当初は「改定」と言っていたが、衆院選公約では「あるべき姿を目指す」として中身に踏み込まなかった。抜本改定すべきだ。
新垣 石破氏が総裁選で言及し、非常に期待したが所信表明では全くそのことに触れなかった。議論を深め、沖縄県にとって不条理にならないよう追求すべきだ。
島尻 改定といっても、いろんな論点がある。交通整理が必要だ。石破首相が沖縄県民にとって壁となっていたものを取り除くのかどうか、私も関心がある。
当選者座談会出席者
【沖縄選挙区】
1区・赤嶺政賢氏(76)=共産前職、2区・新垣邦男氏(68)=社民前職、3区・島尻安伊子氏(59)=自民前職
※4区の西銘恒三郎氏(70)=自民前職=は日程調整がつかず欠席
【比例代表九州】
国場幸之助氏(51)=自民前職、宮崎政久氏(59)=自民前職、屋良朝博氏(62)=立民前職、山川仁氏(50)=れいわ新人、金城泰邦氏(55)=公明前職
司会 滝本匠琉球新報社統合編集局長