〈ドクターのゆんたくひんたく〉166 過多月経・貧血 薬物、手術療法で改善も


〈ドクターのゆんたくひんたく〉166 過多月経・貧血 薬物、手術療法で改善も
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 月経のある女性は、約1カ月に1回排卵し、子宮の内膜を厚くして妊娠の準備をしますが、妊娠しなかった場合に子宮内膜が剥がれ落ち、子宮の内膜をリセットします。これを月経といいます。正常な月経量は20ミリリットル~140ミリリットルといわれていますが、140ミリリットル以上の場合を過多月経といいます。

 実際自分で月経量を計測することは困難と思われますが、昼でも夜用ナプキンを3日以上使う場合や、普通のナプキンが1時間ももたない場合、月経血に大きなレバーのような塊がある場合は過多月経の可能性があります。過多月経の原因は子宮筋腫や子宮腺筋症などが有名ですが、子宮に異常がなくても過多月経を呈する方もいます。過多月経が持続すると次第に立ちくらみや息切れ、動悸(どうき)などの貧血症状を呈してくるため治療が必要になります。

 貧血の治療というと、まず鉄剤が思い浮かぶと思います。鉄剤は貧血の治療にはなりますが、過多月経を改善するわけではないので、鉄剤の内服をやめると再度貧血になります。

 そのため婦人科では、薬物療法や手術療法を行います。薬物療法では低用量ピルや黄体ホルモンの内服、子宮内黄体ホルモン放出システムを子宮内に挿入することで過多月経・月経困難症を改善することができます。手術療法として、子宮筋腫のみを摘出するもの、足の付け根から子宮動脈にカテーテルを通して子宮動脈を塞栓(そくせん)するもの、子宮内膜を焼灼(しょうしゃく)するものがあります。これらの治療で子宮を温存しつつ、過多月経の改善を図ります。

 薬物療法や子宮温存手術を行っても過多月経が持続する場合は、根治手術である子宮全摘術をお勧めしています。以前は開腹手術が主流でしたが、現在は腹腔鏡(ふくくうきょう)下もしくはロボット支援下に子宮を摘出することができます。腹腔鏡下、ロボット支援下手術は開腹手術よりも出血が少なく、傷が小さいため痛みも軽く、整容性にも優れ、術後2~3日で退院できるため、働きながら介護や子育てをする女性にとってメリットの多い手術です。いつも月経が漏れないか心配している方や過多月経で日常生活に支障がある方は、婦人科で相談されてください。

(上地秀昭、中部徳洲会病院 婦人科)