有料

自立への一歩、厳しく 住居費3割超が35% 借家世帯「家賃補助検討が必要」 沖縄県ひとり親実態調査


自立への一歩、厳しく 住居費3割超が35% 借家世帯「家賃補助検討が必要」 沖縄県ひとり親実態調査
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県が発表したひとり親世帯実態調査では、アパートや賃貸マンションなどの借家に住む母子世帯の35・4%が、月収に占める1カ月当たりの住居費が30%を超えていることが分かった。調査報告によると、住居費が収入の30%を超えると過重負担とする学説がある。家賃補助の導入も検討する必要があると指摘している。住居形態は多い順に、民間の借家52・3%、公営住宅15・6%、持ち家(父母などの家に同居)15・3%など。1カ月の住居費は5万円台18・9%、4万円台18・0%、6万円台13・5%などだった。

 母子世帯の46・4%が低家賃の公営住宅の入居を希望している。一方で経済的な厳しさを抱えつつも51・5%が希望しないと回答していた。調査の考察では「推測の域」と前置きして、希望する地域でないことや子どもを転校させたくない気持ちから「入居したいけど難しい」実態が埋もれていることも考慮する必要があるとしている。

 本調査では新たに部屋数にも着目した。母子世帯では、3室が39・6%と最多で、2室が32・1%、4室が14・7%となっている。世帯人数に比例して部屋数は増える傾向にあるが、人数が3、4人、5人以上の世帯でも数%の割合で「1室」とする回答もあった。

 調査報告では、沖縄は借家の割合が高いにも関わらず家賃の高止まりが続いていると説明。

 ひとり親世帯の住居費負担の大きさは、沖縄ならではの特徴と強調した。

母子・父子家庭の自由記述抜粋

暮らし

・物価高騰中で食費がかかりすぎて、スーパーに行くのもためらう。子の食生活が満足できない状況。

・昨年度、長女のアルバイト収入が103万円を越えて扶養控除の対象外になった。児童手当は満額でなくなり住民税も上がった。最低賃金が上がるなら扶養控除の上限額も上げてほしい。

養育費

・公正証書を作成し、養育費を取り決めたが5年目から未払いに。養育費未払いがネグレクトや罪にならないのは不思議。

住まい

・周囲に公営団地に入居できた母子世帯はいない。収入的に団地以外の賃貸住宅は厳しい。自立に向けた一歩が踏み出せない。

仕事や職場環境

・時給は上がらず物価は上がる。勤務時間を増やして収入を増やせば、子どもの時間と手当てが減り、税金と疲労、ストレスだけ増えた。

子育て

・子どもが不登校で働けない。

・保育園が決まらず仕事ができない。児童扶養手当のみで生活しているが借金がたくさんある。

・収入が増えて児童扶養手当対象外になり、今まで受けられた補助がなくなった。手当てがもらえる時の方が生活にゆとりがある制度ではひとり親の自立を妨げると思う。