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子の居場所に大学生を派遣し支援 需要増も資金繰り厳しく 大学コンソーシアム沖縄、寄付を募る


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この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 子どもの居場所に学生を派遣して支援する「大学コンソーシアム沖縄」への需要が年々高まっている。依頼を受けて学生を派遣した居場所の数は、事業を開始した2016年度の22カ所から22年度の100カ所に増え、派遣学生数(同期比)も50人から362人に増えた。参加している学生は「子どもを取り巻く問題の理解を深めながら支援に関われる」とやりがいを強調した。事業費は寄付金で賄われ、支援する学生には有償ボランティアとして謝金が支払われる。一方、事業資金は本年度中にも底につくとみられ、関係者が頭を抱えている。

 大学コンソーシアム沖縄は県内の大学・短大・高専の11校で構成し、代表理事は西田睦琉球大学長。子どもの貧困問題などに学生を触れさせ、卒業後も課題解決に貢献できる人材の育成を目的とする。16年4月、子どもの居場所学生ボランティアセンターを琉球大学内に設立し、11校の学生を子ども食堂や無料塾などに派遣する。

 学生は時給800円の謝金を受けとる。センター長の本村真琉球大学教授によると、経済的な理由でアルバイトをする必要がある学生も派遣事業に関われるよう有償ボランティアとした。本村教授は「子どもの問題に対する学生の関心は高い」と語った。

 事業開始の初年度の2016年度と比べ、22年度の派遣先は約5倍になるなど認知度は高まった一方、事業資金の問題が顕在化してきた。活動の趣旨や目的に賛同した企業や個人から寄付金が集まり、16年度は2千万円を超えたものの、以降の年度ごとの寄付金は600~780万円で推移し、繰り越してきた。事業の支出は初年度約108万円で、22年度は約13倍の1381万3600円までに拡大した。

 23年度は6月末時点で、寄付金は500万にとどまっている。繰り越し分も合わせて、本年度で事業費が底をつく見込みだ。本村教授は「来年度は事業費がゼロからのスタートになるかもしれない」と寄付金を呼び掛けている。寄付に関する問い合わせは大学コンソーシアム沖縄、電話098(895)1939。メールはkg-vc@consortium-okinawa.or.jp

 (嘉数陽)