【東京】知らないでは済まされない生身の沖縄を伝える写真展「石川真生―私に何ができるか」(東京オペラシティ文化財団主催)が13日、東京都新宿区の東京オペラシティアートギャラリーで始まった。写真家・石川真生さんの初期の作品から最新作まで総数約170点が並び、「生身の沖縄」を伝える。12月24日まで。
都内での本格的な写真展開催は初めて。沖縄芝居、港町エレジー、基地を取り巻く人々など悲喜こもごもを活写した作品が会場にはずらりと並ぶ。「小さい展示はやったことがあるが『政治的』とちゃちが入って中止になったり、妨害が入ったりで、大がかりなのは初めて」と言う。
2014年から取り組む「大琉球写真絵巻」の新作も展示。熱のこもった初期の作品もあり「やっとできたなあと喜んでいる。ヤマトの人に見てもらわないと困るから」と語る。
都内での開催について「沖縄のこと、なーんも知らないのに悪口いっぱい言ってんだからさ、冗談じゃねえ」と、積年の思いから「吠(ほ)えに来た」と言う。「私は優しくは言わない。見れ。ずっと沖縄で生まれ育った私の撮った写真を」と、気迫を込めてアピールした。
生涯現役を貫く石川さんは「常に撮らないといけない。写真以外やりたいことはないし」と述べ、次回の被写体も胸に秘める。 (斎藤学)