希少な深海カニ「ウィリアムホモラ」 沖縄で世界初展示 美ら海水族館 43年ぶり、国内発見


希少な深海カニ「ウィリアムホモラ」 沖縄で世界初展示 美ら海水族館 43年ぶり、国内発見 世界で初めて生体展示が始まった希少な深海カニ「ウィリアムホモラ」(沖縄美ら海水族館提供)
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 【本部】本部町の沖縄美ら海水族館は、これまで報告数が少ない深海のカニ「ウィリアムホモラ」の採取に成功し、世界で初めての生体展示を開始した。11月上旬に県水産海洋技術センターと実施した共同調査で、慶良間諸島沖の水深約850メートルの深海で採取した。国内での発見は43年ぶりで、2例目となる。

 ウィリアムホモラは、はさみの先がニッパーのような特殊な形状をしていることが特徴。九州―パラオ海嶺(かいれい)、マリアナ海嶺の水深520~677メートルで発見された個体の標本に基づく報告のみが知られており、詳しい生態が分かっていない。美ら海水族館で展示されているのは2個体で、水温が低い厳しい環境で生息しているためか、岩場などで、じっとしていることが多いという。

 水族館学芸員の岡本情さんは「これまで記録が極めて少ない種類となる。めったに見ることができないので、ぜひ多くの人に訪れてほしい」と話した。2個体は甲羅の幅が約5センチ、手を広げた際の全長が約20センチ。水族館内の「深海の小さな生き物」のコーナーで展示している。

(池田哲平)