「知見の一つとして参考にする」 WHO傘下機関がPFOAなどの発がん性への評価引き上げで、環境相見解


「知見の一つとして参考にする」 WHO傘下機関がPFOAなどの発がん性への評価引き上げで、環境相見解 米軍普天間飛行場から流出し風に漂う、PFOSなどを含む泡消火剤=2020年4月、宜野湾市の宇地泊川
この記事を書いた人 Avatar photo 安里 洋輔

 【東京】世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)が、有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)の一種であるPFOA、PFOSについて、発がん性に対する評価を引き上げたことについて、伊藤信太郎環境相は5日の閣議後会見で、「国内外の知見や動向の一つとして参考にして議論を行いたい」と述べた。環境省の専門家会議で行っている、PFASに関する水質の指針値設定の検討材料にする考えを示した。

 IARCは、4段階に分けている発がん性の評価で、PFOAを2段階引き上げて一番上の「発がん性がある」に、PFOSを1段階引き上げて下から2番目の「可能性がある」に引き上げていた。この点について、伊藤氏は、記者団から受け止めを問われて答えた。

 伊藤氏は「評価が見直されたということは承知している」とした一方で、「今回の専門機関の評価というのは、人に対する発がん性があるかどうかの証拠の強さを示すということで、暴露量に基づくリスクの大きさを示したものではない」との認識を示した。その上で、環境省の専門家会議が7月に取りまとめた今後の対応の方向性に沿って、「環境モニタリングの評価や飲用暴露防止の徹底などの対策を着実に進めたい」とした。