有料

「小さなサイン、気づけるように」 性の多様性理解 学校現場の取り組み 沖縄 <ピンクドット沖縄2023>


「小さなサイン、気づけるように」 性の多様性理解 学校現場の取り組み 沖縄 <ピンクドット沖縄2023> 自分らしさを大切にすることを語る竹内清文さん=11月、那覇市立城北中学校(同校提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 古堅一樹

 性的マイノリティーや性の多様性について、小中高校でも子どもたちへ配慮したり、理解を広げたりする取り組みが行われている。保健室で児童・生徒らの心身の健康に気を配り、相談に応じる養護教諭らも他の教職員と連携し多様性について考える講演の企画や環境づくりを模索している。

 那覇市立城北中学校の養護教諭、平良悠さんは毎年、性の多様性について理解を広げる講演会を同校で開く。今年も11月、NPO法人レインボーハートokinawa理事長の竹内清文さんを講師に招いた講演に全校生徒が参加した。竹内さんは、自分とは違う個性を持つ人も受け止める大切さや自分らしさを尊重する重要性について語った。

 「かっこいいものが好き」な女子生徒や「かわいいものやピンク色が好き」な男子生徒からは、周囲の同性と違うと感じて不安を持っていたものの、講演を聴いて「おかしなことではない」「それでいいと分かった」との感想も寄せられた。

 「中学生は周りと違うことに敏感」と実感する平良さん。講演は「違っていてもいい」と気付けるきっかけになる。性の多様性だけでなく、もっと広い意味で自分と違う考えの人を否定せず、理解することにつながる意義も感じる。

保健室に置かれている多様性を象徴するレインボーフラッグ
保健室に置かれている多様性を象徴するレインボーフラッグ

 保健室でもアンテナを張り、生徒を見守る。「普段から接しやすいように、小さなコミュニケーションも大事にしている。小さなサインにも気付けるようにしたい。他の先生方と連携し、見守っていきたい」と語った。

 (古堅一樹)