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「寂しい」「路線の維持を」 利用者ら驚きと惜しむ声 沖縄バスの東陽買収


「寂しい」「路線の維持を」 利用者ら驚きと惜しむ声 沖縄バスの東陽買収
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄バスによる東陽バスの買収方針が判明した19日、東陽バスを利用する市民らは一様に驚きの表情を浮かべた。同社の路線が本島東海岸の交通を担う重要な役割を負っていることから、合併後も路線の維持などサービスの質を落とさないよう要望する声が上がった。

 この日夕方、那覇バスターミナルでは、多くのバス利用者が帰宅するため東陽バスが停車する乗り場で列を作っていた。

 「え、本当ですか?」。通院帰りで38番志喜屋線を待っていた南城市知念の山内昌智さん(50)は思わず声が上ずった。「沖縄市に勤めていた時も東陽バスで、いつも利用していた」と述べ、暮らしに欠かせない交通機関であることを強調した。

 那覇市への通勤で利用する南城市佐敷の當山陽春(ようしゅん)さん(42)=公務員=も驚きの表情だ。「1年のうちに最終便が繰り上がり、減便もあった。今後もできるだけ、現状を維持してほしい」と要望した。

 病院と自宅の往復で利用している平利江子さん(72)=那覇市=は車体に描かれたオレンジと緑のラインになじみがあるといい、「会社がなくなるのは寂しいね」と残念がった。

 県によると、路線は維持される方針。沖縄市在住で毎日、31番泡瀬西線に乗る公務員男性(57)は「路線維持と聞いても、どうなるのか不安だ」と話す。「最近は最終便が繰り上がり、那覇で飲むのも難しい。合併で増便があるかもしれないが、何も分からず気がかりだ」とけげんな様子で語った。 

(渡真利優人、小波津智也)