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被害総額は2億円超に 23年の特殊詐欺被害、5年で10倍に増加 詐欺の電話が多い時間帯や時期は?沖縄県警


被害総額は2億円超に 23年の特殊詐欺被害、5年で10倍に増加 詐欺の電話が多い時間帯や時期は?沖縄県警 イメージ写真
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄県警が認知した2023年の特殊詐欺被害は48件、被害総額は2億円超に上り、認知件数、被害総額ともに過去5年で最悪となったことが22日までに県警への取材で分かった。

 19年は認知件数19件、被害額は約2千万円で、この5年で認知件数は2.5倍、被害額は約10倍に跳ね上がった。全国的に特殊詐欺が認知され、被害申告が増えたことが増加の一因とみられる。

 警察等の各種特殊詐欺被害抑止の取り組みが進む一方で、依然として詐欺グループがはびこる現状がある。捜査関係者は「詐欺の手口やグループを解明しても、また新しい詐欺が横行する。『いたちごっこ』だ」と話す。

 県警が23年に認知した特殊詐欺48件のうち、身に覚えのないインターネット料金などを請求される架空料金請求詐欺が18件。「必ずもうかる」といった投資話を持ち掛け、金銭をだまし取る金融商品詐欺が12件、還付金詐欺が10件と続く。昨年末には電話で「還付金がある」と、被害者を金融機関に誘導し、現金自動預払機(ATM)を操作させて現金を振り込ませる手口の被害が多発した。

 県警によると、還付金詐欺は電話で指示しながらATM機を操作させ、お金を振り込ませるケースが多い。特殊詐欺の犯行様態はさまざまで、交流サイト(SNS)等で離合集散を繰り返し、匿名性の高い通信手段を活用しながら、出し子役など役割を細分化する匿名・流動型グループの活動が目立つという。

 捜査関係者は「詐欺の電話は平日の午前9時~午後5時ぐらいが多く、年末や年度末に頻発する傾向にある。詐欺グループは世の中の流れに合わせ手口や形態を変え巧妙になっている。

 年末に多発した還付金詐欺は、官公庁の仕事納めに合わせて電話がピタリとやんだほどだ」と話す。

 電話で現金の話などを持ち掛けられた際は、確認と相談を徹底してほしいと呼びかけている。