「値上げに給料追いつかない」 買い物頻度減らす人も 沖縄の県内物価指数、大幅な伸び


「値上げに給料追いつかない」 買い物頻度減らす人も 沖縄の県内物価指数、大幅な伸び 食品コーナーで商品を見定める市民=26日、那覇市内のスーパー
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 物価高が止まらない。県が26日に発表した2023年の県内消費者物価指数は記録的に大幅な伸びとなった。市民らは生活習慣の見直しや、値段の安い商品への買い換えなどで節約にいそしむものの、「値上げ幅に給料が追いつかない」と悲鳴を上げている。

 26日夕、各地のスーパーは週末ということもあり大勢の客でにぎわった。少しでも節約しようと、値札に書かれた金額を確認したり類似商品を比較したりするなど慎重に商品を買い求める姿が見られた。

 浦添市のスーパーに親子で買い物に訪れた40代女性は「いつも同じ店で買い物をしていても、以前と(総額が)全然違う。商品一つ一つが上がっている」と驚く。値上がりが収まる気配がないことに「食品を買う頻度を減らしたり、家事に使う洗剤の種類を絞ったりして工夫するしかない」と苦々しい様子で語った。

 那覇市内のスーパーを利用する50代の女性も「少しだけ買ったと思っていたのに、レジで精算すると思っていたよりも値段が高い」と話す。安い食材を買おうと複数のスーパーを巡り、お菓子を買う頻度も減少。燃料費高騰もあって、実家に行く回数も月2回から1回に減らしたという。「物価は上がっているんだから、給料も上がってほしい」と訴えた。

 糸満市のドラッグストアで買い物をしていた公務員の50代男性=八重瀬町=は「特に食料品が高いと感じる。定価で買うことはほとんどない」と言い切る。「値上げに給料が追いつかないので、節約し続けるしかない。戦争の影響などもあり仕方ないかもしれないが、生活実感としてはやはり厳しい」と窮状を吐露した。(藤村謙吾、玉寄光太、岩切美穂、小波津智也)