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大浦湾のサンゴ「被度」が減少 環境団体がリーフチェック 温暖化や土砂堆積で


大浦湾のサンゴ「被度」が減少 環境団体がリーフチェック 温暖化や土砂堆積で 調査地点・チリビシのミドリイシ群集。健全なミドリイシ群集もあり魚の群れも確認された=1月31日、名護市の大浦湾(日本自然保護協会提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 日本自然保護協会は1月31日と2月1日の2日間、名護市の大浦湾でサンゴの状態を調べるリーフチェックを実施した。湾内の4地点でサンゴが海底を覆う割合を示す被度を調べ、いずれの地点でも被度が落ちている傾向が見られた。

 2016年に本島周辺で大規模な白化現象があったが、近年は回復傾向にあった。調査した安部真理子主任は「温暖化の影響や土砂の堆積で全体的にサンゴの回復力が落ちている」と分析した。

 調査では、サンゴとともに、チョウチョウウオやブダイ、クマノミやネオンテンジクダイなども確認された。

 4地点のうち「ハマサンゴの丘」は被度が40%で、前回比21・9ポイント減で最も大きく減少した。水質悪化に伴い増えるシアノバクテリアが目視で多く確認された。市安部に近い調査地点チリビシのミドリイシ群集は、18年にはサンゴの産卵が確認され、毎年産卵しているが被度が16・8%で前回比2・6ポイント減とおおむね横ばいだった。テーブルサンゴを覆う土砂が確認され、サンゴ幼生の着床を阻む原因になっていると見られる。

 大浦湾では、1月から新基地建設に伴う石材投入が進められている。「影響はまだ出ていない」としたが「至近距離で土砂を投入したり海流を止めたりすることは、生態系に良い影響は与えないと考えている」と話した。

(慶田城七瀬)