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沖縄戦の戦没者の遺骨、保全の条例制定を「ガマフヤー」具志堅さんら 県と県議会に陳情 沖縄


沖縄戦の戦没者の遺骨、保全の条例制定を「ガマフヤー」具志堅さんら 県と県議会に陳情 沖縄 戦没者の尊厳を守るための条例制定を求める陳情を県議会に提出したことを赤嶺昇議長(左)に報告する「ガマフヤー」の具志堅隆松さん(右)=5日、県議会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表と琉球大の徳田博人教授らが5日、沖縄戦の戦没者遺骨を保全する条例の制定を求め、県議会と県に陳情と意見書を提出した。陳情は受理され、14日に開会する県議会2月定例会の文教厚生委員会に付託され、審議される見通し。

 赤嶺昇県議会議長を訪ね、陳情の提出を報告した具志堅さんらは「知事と議会が一致すれば地方自治にとって大きな力になる。保守革新関係なく条例制定を目指したい」と訴えた。1月30日の条例案要綱の記者発表後、1週間で500人以上の賛同者を集めたという。続いて各会派も回り、協力を呼びかけた。陳情が委員会で採択されれば条例制定へ弾みとなる。

 議長との面談に先立ち、県子ども生活福祉部の宮平道子部長も訪ね、条例制定を求める意見書を手渡した。県としても条例案を検討しているという。具志堅さんは自身らがまとめた要綱案を「県の条例案に参考にし、活用してほしい」と要望した。宮平部長は「知事にも報告し、部局横断的に検討していきたい」と答えた。

 具志堅さんらが研究会で3年間議論してまとめた条例案の要綱は理念型で、戦争遺跡の史跡指定や地権者への補償と土地買い上げ、沖縄の戦跡国定公園を戦争遺跡群として整備し、遺骨収集と細片遺骨の現場安置などを定める。(中村万里子)