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「辺野古」投資トラブル、ゼネコン団体が「要望書」 地元法人に説明求める<幻影の辺野古マネー>


「辺野古」投資トラブル、ゼネコン団体が「要望書」 地元法人に説明求める<幻影の辺野古マネー>
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設で大浦湾側の工事が代執行で強行される中、警視庁が、辺野古を巡る出資トラブルの捜査に乗り出した。辺野古の地元団体「一般社団法人辺野古CSS(キャンプ・シュワブ・サポート)」の元事務局長との接点も浮上している9億円に及ぶ巨額の投資トラブル。東京だけでなく、地元でも波紋を広げている。昨年9月には、辺野古の関連工事を請け負う大手ゼネコンの関連団体から、事案を問題視して対応を求める「要望書」がCSS側に送付されていたことも関係者への取材で新たに分かった。

 「シュワブ関連工事の受注者としても憂慮すべき問題と認識しており、貴法人に適切な対応を要望いたします」

9億円の投資トラブルについての本紙報道後、辺野古工事の受注業者の関連団体からCSS側に送られた「要望書」(画像を一部処理しています)

 昨年9月29日付で、CSSの古波蔵太理事長に送付された文書にはそう記されていた。

 文書を送ったのは、「シュワブ関連工事安全連絡協議会」。

 関係者によると、辺野古の関連工事を受注する大手ゼネコンなどが加盟する任意団体で、CSSはじめ地元関係者と工事の受注業者との連携を図るための組織だという。

 「要望書」と題された文書で問題視しているのは、本紙が昨年8月に報じ、警視庁が詐欺容疑などでの捜査に乗り出した辺野古工事を巡る9億円の投資トラブルだ。

 発端となった投資勧誘の場にCSSの当時の事務局長が同席し、「CSS事務局長」の肩書きが明記された名刺を示したことや、この人物が代表理事を務める、別の一般社団法人が契約に関わっていたことも報じた。

 文書ではこの報道を踏まえ、「公正な取引の観点からも取引先事業者の法令遵守(じゅんしゅ)体制は重視しなければなら(ない)」と指摘。CSS側に対し「法人としての関与が確認された場合」の対応として「取引を中止せざるを得ない」と通知している。

 CSSの古波蔵理事長は9日までの本紙取材に、「CSSの名前を使われたことで社会的な信頼が揺らいでいる。定款の見直しを含めて検討し、信頼回復に努めていかなければならない」と述べた。

 (「幻影の辺野古マネー」取材班)