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「沖縄戦、五感で感じる」 32軍壕、教育関係者ら学ぶ 県がフィールドワーク実施


「沖縄戦、五感で感じる」 32軍壕、教育関係者ら学ぶ 県がフィールドワーク実施 第32軍司令部壕について学ぶフィールドワークで、第5坑口について説明を受ける参加者ら=10日、那覇市首里金城町
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 沖縄県は首里城地下にある第32軍司令部壕の保存・公開に向け、壕の存在を広く知ってもらうことなどを目的に、壕周辺で12日までフィールドワークを実施している。10日は教育関係者や沖縄大学の学生らが参加し、ガイドの説明を聞きながら司令部壕について学んだ。

 第32軍司令部壕は首里城の地下にあり、直線距離約375メートル、総延長は約1キロと推定されている。フィールドワークは昨年11月に続いての実施で、午前の部に参加した教育関係者ら17人は、通信所跡や、物資の保管やシェルターなどとして使われていた掩蔽(えんぺい)壕、第5坑口の入り口などを巡り、内部の構造などについて説明に耳を傾けた。

 午後には司令部壕をテーマにした平和教育の教材作成に取り組んだ。

 首里城のガイドを続けている興南高校・中学校の生徒で構成する興南アクト部の東内原輝空さん(17)は「以前から壕の存在は知っていたが、自分の目で見られたのは良い経験になった」と話した。

 豊見城中学校の大城真紀子教諭(43)は「子どもたちが現地で、自分の五感で感じ取ることでより沖縄戦を感じられると思う。将来的には生徒たちと壕や戦跡を巡るフィールドワークをしたい」と話した。

 県女性力・平和推進課の島津典子課長は「32軍司令部壕を知らない人も多いので、まずは知ってもらうことを目的としていきたい」と話した。

 (沖田有吾)