離島のハンセン病回復者支援へ 離島で初の相談センター、宮古島市に開設 沖縄


離島のハンセン病回復者支援へ 離島で初の相談センター、宮古島市に開設 沖縄 県宮古合同庁舎1階に開設されたゆうな相談センター宮古の看板を掲げる厚労省健康・生活衛生局難病対策課の山田章平課長(右)と同センター宮古の荷川取頼人さん=14日、同庁舎
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 ハンセン病回復者の生活支援事業などを担ってきた県ゆうな協会は14日、宮古島市の県宮古合同庁舎1階にゆうな相談センター宮古を開所した。県内離島で初となる相談センターで、宮古地域や八重山地域の回復者から相談を受け生活支援などを行う。回復者の高齢化が進む中、通院や買い物などに支障を来している人もおり、回復者の希望に添った手厚い支援が求められている。

 相談センター宮古は厚労省の事業で運用され、管理者は県ゆうな協会。同日の開所式には厚労省や県、国立療養所宮古南静園の関係者や退所者、支援者らが参加した。厚労省健康・生活衛生局難病対策課の山田章平課長は「わが国が長年の間、強制隔離政策で患者やその家族に対して偏見、差別を助長していたことを改めて謝罪する」と述べた。その上で「これまで県やゆうな協会と連携して支援をしてきたが、宮古島市に一つの拠点ができることをありがたく思っている」と語った。

 県ゆうな協会によると、県内には約500人の回復者がおり、高齢化が進む中で病院の診察や買い物、掃除の対応が難しくなっている人もいる。同協会では同行支援や訪問相談など生活支援を実施している。

 あいさつをしたハンセン病と人権市民ネットワーク宮古の亀濱玲子共同代表は「離島の回復者の生活支援は何年も何年も国や県、宮古島市に要請を繰り返してきた」と説明。ハンセン病療養所を退所した回復者が、社会で生きづらさを感じて再入所することも少なくないとして「相談でき、支援してもらえる場所が(宮古島で)スタートすることは大きな意味を持っている」と強調した。関係機関や支援者らが連携を密にして支援に取り組むことの重要性も訴えた。

 相談センター宮古は毎週火、木曜日の午前9時~午後5時。連絡先は電話080(9853)4577。

 (友寄開)