本の貸し出しなどのシステム更新で、2月6日から臨時休館している那覇市泉崎の県立図書館が3月1日から再開する。
再開を前にマスコミ向け内覧会が28日、同館で開かれた。蔵書をAI(人工知能)で探索する新たな機能や、自主学習席を事前に予約するシステムなどを導入し、図書館の円滑な運営を目指す。
座席予約ナビ「とりたろう」は館内全542席のうち、自主学習席とビジネスエリア席の237席を事前に予約することができる。1回につき3時間まで利用可能で、空きがあれば延長も可能。図書館利用カードがあれば使用でき、3日前からインターネット予約ができる。
同館では長時間にわたる席の占有や、荷物を置いたままの離席が相次いでいた。席を求めて開館前から入り口付近に行列もできていた。これまで通り、予約不要で利用できる席も291席設ける。
「わくわくする小説」や「元気が出る本」など抽象的なキーワードからお薦めの本をAIが教えてくれる「蔵書探索AI」も新たに導入する。同システムの導入は横浜市立図書館に次いで全国2例目で、都道府県立図書館としては初となる。宮城威(たけし)館長は「これまで利用者の座席確保が大きな課題だった。利用者から助言をもらいながら効果的な使い方を考えていきたい」と語った。
同館では当初2023年11月にシステムの入れ替えを予定していたものの、世界的な半導体不足の影響で更新作業が遅れていた。臨時休館と受験シーズンが重なり、県内の企業や団体が代わりの自習スペースを提供した。宮城館長は「不便をかけ申し訳ない。自習スペースを確保した企業や団体に心からお礼申し上げる」と述べた。
(渡真利優人)