「うないラジオ」で声発信 県内女性がネット番組 暮らしのモヤモヤ言葉に


「うないラジオ」で声発信 県内女性がネット番組 暮らしのモヤモヤ言葉に 「うないラジオ」のサムネイル画像(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 世代や職種、政治信条など立場を超えて沖縄の女性たちのつながりをつくろうと、インターネット上の音声配信(ポッドキャスト)を2月末から始めた女性たちがいる。番組のタイトルは「うないラジオ」。政治に女性の声を反映させたいと昨年発足した「フェミブリッジ沖縄」のメンバーが、暮らしの中で感じている身の回りのモヤモヤを言葉にしてもらいたいと考えたのがきっかけだ。メンバーらは「番組を通してさまざまな女性たちをブリッジ(架け橋)したい」と意欲に燃えている。

 主に40、50代の県内在住の女性たちが中心で、業種も自営業から医療、観光、広告業などさまざま。街頭活動では、軍拡に進む政治への危機感や、南城市長のセクハラ疑惑に対して声を上げてきた。

 音声配信を始めようと思ったきっかけが二つある。メンバーの数人が1980年代に女性たちの手でつくりあげた「うないフェスティバル」の報告書を読んだことだ。同フェスティバルは「国際婦人の10年」最終年の85年に始まり、12時間のラジオ特別番組で女性100人のリレートークを放送し、シンポジウムやバザーを開催していた。2014年まで続いた。

 配信メンバーの島袋ひろえさんは「フェスティバルに感銘を受けた。女性たちのつながりが広がれば絶対に社会は変わる」と話した。

 もう一つは、メンバーが映画「燃えあがる女性記者」を見たことだ。インドのカースト制最下層の女性たちが記者として社会の不正を暴いていくドキュメンタリーで、不慣れなスマートフォンを手に取材を続ける姿に感銘を受けた。身近なツールで発信できることに気付き「とにかく始めてみよう」とオンラインで収録した。今後は週1回程度の配信を目指している。

 配信メンバーの1人、古川マリさんは「ずっと沖縄で活動してきた先輩達に対する尊敬の思いがある。約40年たち、女性を取り巻く環境は悪くなっていないか。女性が声を上げることで政治を変えていきたい」と配信への思いを語った。 

(慶田城七瀬)
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 「うないラジオ」は、ウェブで「うないラジオ」で検索。14日夜に、沖縄市のシアタードーナツとコラボ企画として、当時うないフェスティバルの立ち上げに関わった高里鈴代さんと映画「燃えあがる女性記者」のアフタートークを行う。