米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設を巡り、沖縄防衛局は11日、米軍キャンプ・シュワブ内に土砂などを運び込む新たな搬入口を設置し、使用を開始した。
新たな搬入口は、これまで使用していたシュワブゲート前付近から直線距離で北東に約650メートル移動した国道329号沿いにある。琉球新報社は沖縄防衛局に対し、新たな搬入口設置の意図などについて問い合わせたが、同日中の回答はなかった。
シュワブ内への資材搬入を巡っては、市や周辺地域が渋滞などの解消を求めてきた。新たな搬入口は、基地建設に反対する人たちが抗議活動の拠点とし、集会などが開かれてきたシュワブのゲート前から道路伝いで約800メートル離れている。抗議行動や監視活動に影響が出る可能性もある。
![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2024/03/image-2.png)
シュワブのゲート前で抗議を続けてきた市民によると、11日早朝から従来の搬入口は閉鎖されていたという。約30人が座り込むなどして抗議する中、沖縄防衛局は11日、土砂などの資材を新たな搬入口から運び込んだ。
抗議に参加した県統一連事務局長の瀬長和男さん(60)は、「以前の場所であればテントから監視できた。(市民らを)遠ざけたいのかなと思う」と指摘。「活動の場所が変わっても、国が断念するまで抗議を続ける」と語気を強めた。
新たな搬入口の付近は道路がカーブしており、抗議に参加した70代男性は「見通しの悪い場所で本当に危ない。市民を危険に巻き込む基地建設をやっていいのか」と抗議した。
(金城大樹)